『学習する組織』とエシカル

アクティブ・ブック・ダイアログ(ABD)という読書法を用いた『学習する組織』の読書会を、高校の大先輩であり『ワールド・カフェをやろう』等の著者である大川さんが催されたので、喜び勇んで参加をしてきました。

 

『学習する組織』を読むのはは5年ぶりだったことと、刺激的で楽しいABDという読書法のおかげでたくさんの気づきがあったため、簡単にメモを。

 

僕のとりくむエシカルという活動は、「影響をしっかりと考える」こと。僕の言葉でいえば「つながりを想い、これからを選ぶ」ことと説明をしてきました。

 

『学習する組織』を読み直していて、エシカルとは「自分自身をレバレッジポイントにすること」ともいえるな、と思いました。

 

社会もしくは世界は、目に見える出来事があり、その下にパターンがあり、その基盤に構造があり、根っこにはメンタルモデルがある・・氷山のようなつくりでシステムとして成り立っています。

 

システムはとても複雑で、神智をもってしても測れるかどうか。

 

そして社会の変化や課題は広く大きくゆっくりゆっくりなので、人の視野ではとらえきれない。

 

私たちはシステムを変えていきたいと願うとき、無力感を覚えどうしていいのかわからないと途方にくれる、、かもしれません。

 

しかし、大事なことは私たち自身もシステムの一部であることと、システムを構成するものは相互に作用しあうということ。

 

すなわち、私たちはしょせん出来事の一部しか見ること、行うことができないかもしれない。でも自分の出来事を変えていくことが、パターンや構造に作用しそれらを変えていき、システムも変化させていくことになる・・・・かもしれない。

 

システム思考などを身に着けて、全体に直接的なアプローチをする人もいるでしょう。でもエシカルはもっと身近で、誰にでもできる。

 

私たちもシステムの一部なのだから、私が変われば世界が変わる。

 

自分の日々の生活・出来事が社会や世界とつながっていること、システムの一部であることを想い、生活・出来事を選び変えていくことで、巡りめぐって社会や世界やシステムを変えていこうとすることが、エシカルなのだと思います。

 

だから「自分自身をレバレッジポイントにすること」なんじゃないかな、と。

 

簡単にいえば、それぞれが買い物など自分の目の前の暮らしをより丁寧にすることで、何か世の中変わるよねというとりくみで、誰にでもできます、きっと。

 

ただ肝心なのは、目の前のことはとても大きいシステム全体とつながっているのだという認識をもつことと、そこから選択をするための自律性をもつこと。これがけっこう大変。僕はエシカルはとても簡単で、同時にとても難しいと思っているのですが、それはこの認識と自律性を身に着けるまでが多くの人にとって難儀だろうからです。

 

この認識や自律性の獲得が、『学習する組織』ではメタノイアや自己マスタリーとして説かれているのかな、と思います。

 

さらに、「自分自身をレバレッジポイントに」して、自分という出来事を変えても、効果的にシステムに相互作用を及ぼすためには他者とのダイアローグが重要になるのでしょう。

 

この、ダイアローグの言葉について。

 

人のもつメンタルモデルや社会のシステムについてのダイアローグを行うときに使われる言葉は、意味を求めあう「伝達の言葉」ではなく、気持ちや感情や意識などそのものを表す「表現の言葉」でなくてはいけないのだろうな、と思います。

 

この「伝達の言葉」と「表現の言葉」の違いについては、現代詩人の文月悠光さんに教わりいろいろと考えているので、また別途まとめてみたいなと思っています。

 

と、いうことを書いてみたけど僕個人のメモ代わりなのでだいぶ曲解や飛躍があるなあ・・と思いつつ、まあ改めて読む『学習する組織』は面白いということが結論になります。

 

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