不妊から、ワークライフインテグレーションとか家制度打破とか・・

 

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ライフサカス(UMU)のお二人から、不妊のお話しを聞いてきました。

umumedia.jp

 

不妊治療は身近にも取り組んでいる人がいるし、自分は不妊治療が実って産まれたんだよって知人もいるはず。だけどあまり語られない(語りにくい)ので、関わる人が多い割には認識されていない(西部さん表現ではサイレントダイバーシティー。見えない多様性ってことですね。)ということをつくづく感じました。

 

SOIFでFineの松本さんから不妊のお話しをはじめて聞き、全然知らないことばかりで驚いて、「これって人事課題じゃない??」と興味をひかれていたのですが、昨夜は西部さん黒田さん、他参加者の皆さんのお話しにすごく考えさせられて示唆いっぱいでした。

 

思うことは二つ。

 

まず、ワークライフインテグレーション。

 

日本においては、会社(ワーク)とプライベート・家庭(ライフ)が断絶していて、ワークはライフを圧迫してきた。その中でライフ最優先である不妊治療はとても後ろめたい、言い出しにくい、という話しが出ました。僕の知人でも不妊治療をしていたら「そんなのわがままだ」と会社の人に言われた方がいます。

 

もうそんなの古すぎでしょ。

 

不妊単体では打破できなくても、会社とプライベートの関係をさまざまな攻め口から変化させていくことはできます。パラレルキャリア促進とかも一つ。子連れ出勤とかもいいと思うし、manmaの家族留学とかも面白い。

 

そうやって、断絶しているワークとライフのバランスを考えるんじゃなくて、二つを統合(インテグレート)していくのがこれからなんじゃないかな・・とか思います。そうなっていけば不妊治療についても語りやすい社会になるんじゃないかな。言うは易し行うは難しですけどね。

 

あとワークライフインテグレーションが進めば、もとめられるのはライスワークとライフワークを平行両立させた「パラレルキャリア」ではなく、双方を呼応させ混在させた「ハイブリッドキャリア」なはずとかも思います。(TEDxで「ハイブリッドキャリアのすすめ」(https://youtu.be/CKKmk6938NQ)って話しをしているので我田引水。)

 

そして、家制度の打破。

 

黒田さんが指摘されていましたが、不妊について語られたり教育されたりしていくことで「何歳までに子供を産まなきゃ」みたいな呪縛というか同調圧力が強まるのはイヤだなぁと僕も思います。何歳で産もうが産まなかろうが養子をとろうが、それぞれの選択。

 

相撲の土俵に女性は上がるなという伝統が調べてみればけっこう最近できた制約じゃない?みたいな話しと同じで、古臭いステレオタイプとして示される家族のあり方(ついでにいえば疑似家族としての会社のあり方)も、戦前後くらいにできて高度経済成長期に染み付いちゃったけっこう最近できた制約な気がする。

 

江戸時代どころか明治大正期まで養子とか多かったし。セクシュアリティも当たりまえに多様だったようだし。

 

それを家制度の残滓と表現するのがあっているのかどうかわからないけど、とにかく似非伝統なんて臭い垢と同じでとっとと洗い流せばいいと思います。まあ価値観の変容なのでそう簡単にはいきませんけど。

 

そんな取り組みはLGBT/SOGIの知人たちが前線でがんばっているので、『ジェンダーマリアージュ』や『ゲイビーベイビー』を見つつ一緒に何かしたいし、ポリアモリーには特に可能性を感じています。

 

などとめもなく考えつつ、とにかく不妊治療についてはもっと知られるといいなと思います。そのためにライフサカスのお二人を応援しようと思いました。

 

そしてやっぱり不妊は人事課題だと思うので、産休・育休とかマタハラとかの次には絶対に人事は真面目に考えるべきです。下世話な言い方をすると、次の次あたりのブームはここが来るかもしれませんよ。