祝111位! 「ダチョウ倶楽部どうぞどうぞ」を貴女に/「国際ガールズ・デー」によせて

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日本では大量虐殺や、組織的レイプや、強制労働や、人身売買が行われている。Yes?No?

 

・・という問いに、断固としてYesと答える人は少なかろう。が、相次ぐ自殺や、無法サークルや、長時間労働や、JK産業などを思うに、断固としてNoと答えられる自信は僕にはない。むしろ、どちらかといえばYesと思う。日本ではある種の、大量虐殺や、組織的レイプや、強制労働や、人身売買が行われている、、かもしれない。

 

10月11日は「国際ガールズ・デー」。毎年、何らかのアクションに参加しているが、今年はプランインターナショナルさんのイベントに顔を出してきた。最近エシカルファッションがらみで近しいルワンダから活動家の方がいらしゃるので実情を聞きたかったのと、東大の安冨歩教授の講演を聞きたかった。

 

講演内容は記事などにまとまっている。ふんだんなユーモアに示唆と警告とアジテーションを混ぜたお話しだった。

wotopi.jp

 

最も膝を打ったのは、「ルワンダには、虐殺の跡が残り、レイプなどの暴力もなくなったわけではない。日本にはそういった明白な暴力は少ない。でもルワンダジェンダー・ギャップ指数6位、日本は101位(その時点で)。何故か?」「それだけ日本では女性差別が、暴力が隠蔽されて日常化している」という指摘。

 

 内面化され、見えない制度としてこびりついてしまっている悪意・差別ほどやっかいなものはない。それは、生活のはしばしに放射性物質のように飛び散って、社会を、我々を蝕む。

 

日本には見える暴力はごく少ない。しかし内面化されこびりついた見えない何かによって、日々ある種の大量虐殺や、組織的レイプや、強制労働や、人身売買が、小さく、延々と行われている。

 

その後数日、めでたくも日本はジェンダー・ギャップ指数111位となった。2015年から2016年という1年を見ても、女性活躍という空砲音はけたたましいものの、うんざりするようなことが多く、10位後退もむべなるかな、と思う。

 

内面化されこびりついた見えない何かを解消するには、どうすればいいか。

 

とても衝撃的なことがあった。

 

NPO法人マタハラNetさんの研修に参加した折のこと。40名くらいの参加者がおり、各テーブル5,6名が着席した。テーブルでワークをやることになり、誰か一人がファシリテーター(テーブルリーダー)をやってください、と指示があった。ワークが終わって、発表も終わって、お疲れ様でした、さてでは各テーブルでファシリテーターをやった方は手を挙げてくださいと言われた。

 

手を挙げたのは、全員男性(僕含む)。

 

何が衝撃かというと、その研修に参加した男性は7名程で、各テーブルに1人くらい。マタハラNetさんの研修に来る男性なので、旧態依然とした価値観の持ち主ではない。女性もアクティブな方ばかりで、リーダーとして仕事をする方も多い。

 

なのに、お互いよく知らない状況下でファシリテーターを選ぶとなると、男性が「じゃあ僕が・・」とか言って、女性陣が「お願いします・・」とか言っちゃう。

 

内面化されこびりついた見えない何かによって、みんな行動がプログラミングされて、ついつい男性を選出してしまったんだと思う。各テーブルでファシリテーターをやった方、と言われて手を挙げて全員男性だった時、僕はすごく恥ずかしかった。すごくすごく悔しいというか、こりゃマズいと思った。

 

教育学では、ヒドゥンカリキュラムというものを習う。チャイムが鳴ったら席に着く、とか。明示されないけど隠された教育。集団で代表者を選ぶときは、とりあえず男性を選ぶんですよ、というのもヒドゥンカリキュラムに含まれてきたことだろう。

 

このヒドゥンカリキュラムはぶち壊したい。ヒドゥンカリキュラムによって洗脳されてきた我々の、内面化されこびりついた見えない何かを洗濯したい。

 

思うのは、ダチョウ倶楽部の「どうぞどうぞ」。

 

ヒドゥンカリキュラムによって、女性は口火を切りにくい、男性もついつい「じゃあ僕が・・」とやってしまう。しょうがない。でもその後、女性も「じゃあ私も・・」とやって、周りは「どうぞどうぞ」と彼女に譲る。

 

茶番だけど、そんなことをやり続けないと111位はどうにもならないよ。ひねくれたアファーマティブアクションだけど、実践し続けてみたら面白いかな、、と思ってやってみたいと思う。

 

というわけで、111位を更新しないために、ダチョウ倶楽部どうぞどうぞを是非。

 

最後に、勝部元気さんのtweetで知ったけど10年前の日本のジェンダー・ギャップ指数は79位。順調に順位は下落しているけど、指数自体は微増している。要は、日本はほぼなーーんもやってこなかった間に他国にガンガン抜かれているということになる。

 

絶対、男性のせいだと思うんですよね。男性が自分たちの生き方を見直すことなく、旧態依然とした価値観と体制に安住してきて、女性の社会進出応援してるよ、とか言いながら全く他人事だと思っている。女性陣勝手に頑張ってね、と思ってる。で、弊社は女性活躍応援企業ですとかダイバーシティとか言いながら、自らが変わらないといけないと気付かず、お題目だけ掲げて、目立つHPとかには男性(あえておっさんとは言わんが)ばかりが雁首そろえる。

 

111位を恥じる男性がどれだけいるか。111位が解消することで、自分の生き方にも良いことがあると思う男性がどれだけいるか。

 

そこをどうにかしないと。行き止まりまできているんだから。