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耽典籍:これが「働かせ改革」。経営者が取り組む労働時間短縮と生産性向上。『当たり前の経営 常識を覆したSCSKのマネジメント』野田稔(ダイヤモンド社)

「働き方改革」ではなく、「働かせ方改革」の本。

経営者が合併を機に本気で労働時間短縮に取り組んで、生産性向上を成し遂げたという、参考になる話だと思う。

 

『当たり前の経営 常識を覆したSCSKのマネジメント』野田稔先生(ダイヤモンド社)。

 

物理的な業務環境を良くして、仕事の時間帯拘束を短くして、ビジョンを浸透させて、、、という、確かに経営者の役割として当たり前な(と思われがちな)ことの実践が書かれているけど、貫徹することは至難の業で、その苦労と工夫がどんなものか知れるのは面白い。

 

SCSKさんはITベンダー(って言っていいのかな?)なので、システムを保守してたりする先のお客様がいるわけだけど、社員に有給を取得させるために経営者自らがお客様に休みを取らせる旨の手紙を書きまくったというのは、本当にスゴいなぁ・・と思う。

 

で、そういう施策をやり続ければ労働時間短縮&生産性向上という、日本企業が直面する最大の問題に解決の糸口をつけられるというのは勇気が湧く事例だとおもう。本にある通り「やればできる」ということだろう。

 

この「働かせ方改革」は企業合併を契機に進められたという。M&Aとかカタカナで言われて合併するまでが派手だけど、実は合併してから(PMI)がとっても重要で、そこでドライブをかけることもできればただの弱弱連合になることもあることを考えれば、地味で手間がかかるけど実のある部分をよく知っている経営者に率いられているんだな、と思う。

 

自分自身、かつて社員代表として企業合併を経験したことがあるが、苦い敗北を喫した。

社員が融和の気持ちをもって新会社に移行できるように願って動き回ったけど、結局うまくいかず反目と陰口とパワハラが横行するような結末になり、僕自身は自分の事業を移管するために合併先には行かないという有り様。ストレスで吐きながら尽力したけど敗北としかいいようがなくて、口惜しいと思っている。

まだガキだったのでしょうがないのかもしれないが、、今ならもうちょっと上手く合併の先導ができるだろうか。。

 

そんな過去も思い出しつつ、SCSKの方にいろいろ聞いてみたいな、と思わせる本でした。