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パフェとダイバーシティと人材育成(とホラクラシー)

パフェは難しい。

 

そもそも、パフェについて真面目に考えたことがある人はどれほどいるのだろう。人生で30分以上パフェについて考えたことがある、という人は是非名乗り出てほしい。

 

ともあれ、パフェは難しい。

 

なぜパフェは難しいか。それは多様性と時間経過という二つのテーマを抱えた食べ物だからである。

 

器の形状が定義の核をなし、中に何が入っていても自由。ただし、多種多様なものが入っていることが求められる。答えはない。もはや闇鍋と同レベルといえる。それがパフェ。

 

パフェと対峙する人は、まずそれがどのような多様なチームとなっているのかに着目する。フルーツ、生クリーム、アイス、ウエハース、チョコレート、シリアル、スポンジ、ゼリーその他もろもろetc・・・・。

 

この採用から難しい。何を何種類集めるか。

 

そしてチーム作り。通常パフェは容器の上方にスターが来る。高級感のあるフルーツなど。しかしどれほどのフルーツでも、一品では引き立たない。スターを支えるために何のアイスを配置するのか、ウエハースを突き刺すかポッキーにするか。配属に悩む。

 

さらに、チームにタレントは複数欲しい。シリアルの悪口を言うわけではないが、ダメなパフェというのは冒頭にスターのフルーツと補佐役のクリームが乗っていて、あとはシリアルだけというチームだろう。龍頭蛇尾すぎる。メッシと10人の高校生では、J2チームにも勝てない。中段を支えるタレントとして、ババロアなどの加入が要される。

 

では、フルーツは最高級のものにしても、アイスやババロアも最高級なものにできるか。クオリティは均一に保てるのか。パフェを供するお店の代表例はフルーツパーラーだろうが、パーラーがあくまで果物屋である場合、フルーツのクオリティは高くてもアイスは業務用品レベルということがある。シリアルとか、100円ショップだろうと思うことがある。

 

加えて、チームのビジョンを貫かなければいけない。イチゴのパフェを作るとき、どれほど素晴らしい抹茶ババロアがあったとしてもそれは一員に加えられないのだ。とりあえず優れたものをバスに乗せて、行先を後から考えていたら、そのパフェは完全に闇鍋になってしまう。イチゴパフェというビジョンに反するものは、去らせるしかない。

 

全員がピカピカの経歴でなくても、チームとして遜色ないレベルは保ちながら、ビジョンへのコミットを絶対としつつ、役割に応じた多様な甘味を集めるというチームビルディングの問題が、パフェにはつきまとう。

 

集められた甘味は、それぞれの持ち味を発揮しつつ、パフェとしての統一感を醸成しなければならない。マンゴーが、「俺はゼリーとシリアルと一緒にスプーンに乗るのはイヤだな」とか言うのは許されない。違いを認めつつ協力してもらわねば。

 

ダイバーシティですよ。

 

パフェをより難しくするのが、時間経過である。

 

パフェを一瞬で食べ終える人はいない。あの縦に長い容器は、相応の時間をかけることが前提となる。とすると、甘味は卓上にあらわれた状態と、食べ進められて終盤の状態とで姿を変える。

 

具体的にいえば、アイスとか溶ける。そして容器の下の方のシリアルとかスポンジがぐじゃぐじゃになる。こうなった時、もう残しちゃおうかなと思うけど惰性で食べるパフェか、底の方も結構美味しいじゃんと思わせるパフェかで大きく評価が分かれる。

 

良いパフェは、時間経過とともに甘味が育つ。ただの数合わせ、将棋の歩であったシリアルが、アイスやジャムなどを吸って成金になったりする。だが偶然にそうなったわけではなく、シリアルの下にゼリーの層を作ってぐじゃぐじゃ化をセーブしたりなど工夫がある。

 

すなわち、当初はさほどのタレントでなかった甘味が、時間経過とともにいっぱしに育つように設計するのだ。

 

パフェではスター性のあるタレントは上に位置する。下の方が食べられるときには、スターはもういない。そんな時になっても、チームの若手が育ってビジョンを保ち続けられるのか。パフェと対峙する人は、その点も厳しく見なければならない。

 

人材育成ですよ。

 

おそらく、パフェを巡る切り口はもっとあるだろう。わかることは、パフェは多様性と時間経過を前提とした答えのない食べ物である、ということ。実に難しい。

 

だから僕はパフェについて考えることは、とても大切なんじゃないかと思う。特に企業で、ダイバーシティや人材育成を担当しているみなさんは、是非パフェについて考えるべきではないか、と提言する。

 

というか、ダイバーシティ関係者で飲み会などしていないで、パフェを食べる会を行うべきだと、断固として主張するものである。

 

 

・・・なんてよしなしごとを、Hanakoのパフェ特集を読みながら考えたのです。パフェ、見かけると注文しちゃうんですけど、コレ!みたいな決定打に出会わないんですよね。

 

Hanako片手に食べ歩くしかないかな・・とか。

 

余談:かきごおりはパフェなのか、あんみつはパフェなのか、について議論したい。僕はかきごおりはパフェではなく、あんみつはパフェであると思う。理由は、かきごおりは中心が氷であるが、あんみつは中心がどこかわからないから。どこが中心かわからないホラクラシー的食べ物であることがパフェの条件な気がする。

 

Hanako (ハナコ) 2016年 6月9日号 No.1111 [雑誌]

Hanako (ハナコ) 2016年 6月9日号 No.1111 [雑誌]