コオロギ問題、難民、アニマルウェルフェア。多様性のある社会。
事件が起こったのは2日前の深夜のことである。
秋といえば、スズムシ、マツムシなど虫の鳴き声が心地よい。が、寝ていて耳元でやたら大きな鳴き声が聞こえる。目蓋をあけると、枕脇に何かいた。。
こういう時は、Gかと思う。が、鳴き声と形状から我が部屋に参上しているのはコオロギと知れた。「なんだ、コオロギか・・・。」と思って再び眠りについたが、、なんだでは済まない。部屋の中をこいつらにピョンピョン跳ね回られたら迷惑だし、産卵でもされると困る。
しょうなしにコオロギと追っかけっこをし、風呂場に追い詰めシャワーで水を浴びせかけ、ちり紙で掴んで外に出そうと思ったが、力の加減ができず殺害してしまった。。
が、コオロギの侵略はこれで終わらなかった。我が部屋にはもう一匹参上していた。夜になって帰宅すると、鳴いている。
リーリーという音色が心地いいのだが、どうやら洗濯機の下に潜り込んでいるようで、手が出せない。毒ガス(ゴキジェット)噴霧を考えたが、まあ部屋の中でコオロギが鳴いているのも風流と思い、放っておいた。(本当は、面倒くさかった。)
洗濯機が素晴らしいステレオになって、響く響く。。うるさくて眠れないレベルだった。。
今回のコオロギ侵入の原因。
僕の部屋は1階にあり、外が共用の庭(?)になっている。草ぼうぼうでヘルヘイムの森(from仮面ライダー凱武)と化していた。が、2日前に業者さんによりすっきりさっぱり伐採され、ペンペン草も生えていなくなってしまった。
コオロギたちはヘルヘイムの森で楽しく生活していたのだが、この伐採で生活の場を奪われ、新たな約束の地を求めて我が部屋にも流浪してきたのだろう。
すなわち、彼らは難民といえる。
強者の都合により安らぎの場所を奪われ、しかたなく新天地をもとめて彷徨っていた難民を、僕は無残にも迫害し、殺戮に及んだことになる。。
こりゃあんまりいい気持はしないですね。。
同時に、アニマルウェルフェア(動物福祉)とかの話を聞く機会も多く、動物実験とか家畜の飼育環境とかへの配慮などにも理解があるはずなのに、部屋にコオロギが来たら握りつぶすという。。ちょっと、ねぇ。
もっとコオロギにも優しい眼差しをむけないとな、、と思った次第でした。
気づいたこととして、仮にコオロギが虫籠に入り鳴いていたら、純粋に風流でかわいいと思っただろう。しかし、勝手に跳躍されていると駆除対象となる。これは、人と虫・動物の関係だけでなく、人と人との関係にも通じるんじゃないか。籠の中に入れられない人間との共生。。。
多様性のある社会というのは、理解できない異物とともに生きるという意味だと思う。人とその他の生物が仲良く共生する、ということも、ちゃんと考えていかなきゃなぁ・・と思いました。
ちなみに、僕の部屋に蜘蛛はいます。ハエトリクモみたいなちっちゃい奴で、紙魚とかを食べてくれるので蔵書を守ってくれるよ、と他の本好きに言われてから大事にしていて、前の家から連れてきた同居生物です。
で、コオロギについて。
一晩鳴きあかした挙句、昼くらいに出て行ってくれました。我が家にいても彼の恋愛は成就しない、ということを理解したのでしょう。
モテないオーラがますます漂う家となりました。