2015-03-16から1日間の記事一覧

耽典籍:君は戦争より生まれたが、君が死んでも戦争は死なず、今日も第二第三の君は死ぬ 『coyote 旅する二人キャパとゲルダ』

ゲルタ・ポホリレという女性は戦争を撮るためにスペインへ向かい、戦争写真家ゲルダ・タローとなった。エンドレ・フリードマンは彼女を愛し、同じく戦争を撮るためにスペインに向かい、戦争写真家ロバート・キャパとなった。ゲルダ・タローは死に、残された…

耽典籍:何がピンぼけしているのか 『101年目のロバート・キャパ 誰もがボブに憧れた』東京都写真美術館

ロバート・キャパの写真展には文脈があり、戦争(スペイン内戦、WWⅡ、そしてインドシナ戦争)→戦時下のつかの間の憩い(キスする兵士やゲー ムする兵士)→友人達(ヘミングウェイ、ピカソ、そしてゲルダ・タロー)→日本(けっこう日本の写真も多い)→平和な…

耽典籍:「女性は後戻りしないものです」? 『すべては1979年から始まった』 クリスチャン・カリル

自分が1979年生まれでなければ興味をひかれなかったかもしれないが、昨今の世界を考えるに、現代の政治史・経済史・宗教史というか、地政学の流れを示してくれる本として面白かった。 『すべては1979年から始まった』 クリスチャン・カリル 草思社 ホメイニ…

耽典籍 :流行りといわれつつ、スタンダードな本のないマインドフルネスなるものについて 『マインドフルネス 気づきの瞑想』 バンテ・H・グナラタナ

「マインドフルネス」は最近組織開発とか企業研修とかでも話題となっている。ので仕事的にもそれなりに分かっておかないといけない。けど基本書がどれなのか、スピリチュアル系の本はあるけど、地に足のついたいい本はどれなのかなと思った。が、まあこれか…

耽典籍 :いや、ちゃんと話きいてますよ、ええ。 『問いかける技術』エドガー・H・シャイン

浮気をしながら読み進めていたのでやっと読了。 『問いかける技術』エドガー・H・シャイン(英治出版)。 いかに真摯に相手の本質に寄り添う問いを生み出せるかをテーマとした、謙虚な(何度も謙虚に、という語がつかわれている)本。 人から人への問いとい…

耽典籍 :そもそも男が女がと隔てることが旧弊的とはいわれつつ・・ 『男性漂流 男たちは何におびえているか』奥田祥子

「男はつらいよ」というネタで、男性はマジョリティとされながらも「自殺の7割は男性。年代別では50代男性が最も多い。過労死のほとんどは男性。」(ハフポの吉田大樹さんの記事から)という話をしてるけど、まさにそのルポタージュ。 『男性漂流 男たちは…