学生よ、行動するな。映画『ポバティー・インク』から思う、その2.

映画『ポバティー・インク』を見て、「魚を与えるんじゃなく、魚の釣り方を教えるんです」と今更ドヤ顔で言われると腹が立つ、しょせんそれは「Why、How、What」のHowを伝えているに過ぎない。Whyを育てる試みをせねば、という文章を書いた。

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嬉しいことにその意を汲んでくれた若手がおり、自身で映画を見て、登場人物でもあるセネガルの起業家マガッテ・ウェイドさんにもお会いしてきたという。

 

感想をシェアしてくれたが、彼によるとマガッテ・ウェイドさんも僕と近しいことをお話しされていたそうで、社会活動の最前線の共鳴を感じて嬉しい。

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彼の文章から思ったこと。

 

マガッテ・ウェイドさんは、学生が現状を知らずに行動することの危うさを言い、まず勉強やリサーチをしっかりすることを勧めたという。肯ける。

 

若者に、行動をうながす声は多い。「いつやるの?」とかいって。しかし本当に何かを成したいと思うなら、まして世界を変えたいと願うなら、したたかに続けることが大事となる。10年続けて、やっとスタート。

 

行動を、という声にのって基礎体力もなく拙速にコトを起こしても、続くまい。粗い仕事をした挙句、巧言令色に踊らされて仕舞いになるのがオチ。

 

幸か不幸か、情報の多い時代である。ハデな活躍をする同世代のニュースが目に入る。羨みや焦りから、押っ取り刀で起業してしまう若者もいる。短いとはいっても人生はそれなりの長さなのだ、地力をつけてから勝負にでたほうがいいんじゃないかな、と思う。

 

賭けに例えれば、学び、経験を積むことは掛け金を蓄えること。行動する時はその掛け金をベットする時。掛け金をしっかり蓄えておけば、大きな勝負ができるはず。拙速な勝負では、小さな賭けしか行えまい。だから掛け金を蓄えることを恐れることはない。

 

雌伏ができなければ龍にはなれない。目先の瞬間風速だけを求めても、鎌イタチが関の山。社会にちょっぴり切り傷を与えたいのなら、それでもいいが。

 

という訳で、マガッテ・ウェイドさんの言葉のまた聞きから、「若者よ、行動するな」と言うことも大事だろうな、と思った次第。もちろん、それでもと言って覚悟を決めて行動をする若手もいる。その命がけの才知を見つけたなら、しょうがないなぁと言って力を貸すのは、大人の嗜み&楽しみだと思いもするけど。

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