「農」に拠らない「食」のエシカル。世界食糧デーに。
ある時ふと、「食」に興味はないな、と思った。
管理栄養士の団体と「食文化シリーズ」として、各国の料理を食べながらその国で活動する人の話を聞くイベントを続けたりしていたので、実は自分はあんまり「食」に興味がない、と気づいたときには我ながら驚いた。
元来、絶食系の人間なのだ。
「食」が持つ今ここの充溢、快楽に耽溺できない。調理の音の心地よさ、料理の蠱惑的な匂い、食材の彩り、含んだ口当たり、広がる美味しさ。「食」は五感を通して現世を満ちさせてくれるが、そんな今ここに集中できない。
空腹が好きで、食事を食べると空腹が楽しめなくなってしまい、もったいないと思うくらい。飢餓に苦しむ人がいる中で不遜だけど。
だからEDAYAでも、食事をせずに10時間MTGとかは苦にならないというか、望むところだったりする。健全かどうかは別にして。
「食」のイベントを続けていたのは、それが伝える文化や、コミュニケーションツールとしての役割を魅力に思って、だと思う。なので、「食」の素、要は食材を追及するアプローチになってしまうと、ちょっと関心外になる。そして、「食」についての活動をしている人の多くはこのアプローチへ遡及していくようで、「農」から「食」を考えるという切り口になる。
その切り口はもちろん面白く、課題として見据えるべきこともたくさんあるだろうが、それはその領域できちんとした実践を積んでいる人に任せればいいかな、と思えてしまって、結果、「農」に拠る「食」というテーマの発信とは関わりが薄い。
とはいえ、「食」に関わることをやめてしまったかというと、さにあらず。メロンパンフェスティバルという珍妙なプロジェクトに関わり続けている。
メロンパンでコンゴ(紛争鉱物の課題が多い国)を救う、というプロジェクト。メロンパンのセレクトショップをやって寄付集め、といったことから発して、パン屋さんにチャリティメロンパンを作っていただくというところにまで来ている。
「農」に拠らない「食」のアプローチで(いや、パン屋さんは素材にこだわっているけど・・)、かつ世界を少しでも良くしたいという活動につながる、エシカルな切り口だと思っている。
こういった、「農」に拠らない「食」のエシカルというのはいくつかあるけど、ビジネスモデルの構築の面白みもあって、興味深い。
ユニークなのは、店舗の予約が途上国などの給食になるテーブルクロスさんだと思うし、有名なのはTable For Twoさんだろう。
ビジネスモデルの組み立てと敷衍に工夫を凝らしていて、参考になるなぁ、と思う。ちなみにTFTさんは西友のお惣菜屋さんの若菜と商品を出していて、セゾングループの末裔としてとても誇らしい。(西友は元セゾンなので。)
そんな、「農」に拠らない「食」のエシカルの活動を行う団体の親玉みたいな感じなのが国連の食糧支援機関WFPなのかな、と思う。いや「農」もやってるよ、とか言われそうだけど、なにぶん大きな組織・活動なので。。
そんなWFPさんも、給食を届けようというキャンペーンをやっているそうです。
10月16日の世界食糧デーに向けたキャンペーンなようだけど、この世界食糧デーにはさまざまな「食」関連の団体がいろんなアクションを行いそうで、ちょっと楽しみ。