耽典籍:罪と悪が対峙するときの物語。『ぱらいそ』今日マチ子(秋田書店)

ぱらいそ(書籍扱いコミックス)

ぱらいそ(書籍扱いコミックス)

 

罪と悪が対峙するとき、どのような物語が紡がれるのか。

 

生きようと足掻くことが、その結果奪い、汚し、貶め、歪みをうむのであれば、罪を犯さずして生きる人は、マグダラのマリアを引くまでもなくいないだろう。

 

そのような罪が、より大きく絶対的な悪に出会うとき、人が罪を引き受ける覚悟を持てば、罪は人を助けるのか。

 

そんなことを思った。

 

『ぱらいそ』今日マチ子秋田書店)。

 

「なぜ、やめられないのかー窃盗、姦淫、嘘、そして戦争。」という副題が、しんと響く。

長崎の教会に通う、それぞれに罪を抱えた少女・少年と、圧倒的な光である原爆の話。