耽典籍:石田三成>大前研一でしょ。『三成の不思議なる条々』岩井三四二(光文社)

 石田三成は日本というもの、日本人というものを可視化させた天才で、現代にいたら大前研一もルイ・ガースナーもビックリなくらいだと思う。

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津軽さんと島津さんが同室で顔を合わせながら、国政とか経済とか文化について話すという現象は、豊臣政権下において初めておこった奇跡だと思い、それを演出したのは秀吉、はもちろんだが実務家としての石田三成なんだと思う。
実際、彼はコンサルとして(?)津軽家から島津家まで全国の経営を指導していたようだし。

 

津軽さんと島津さんが大阪や聚楽第であっていたら、どんな会話をしたのだろう。そもそも言葉が通じたのだろうか。でも、お互いを「おお、こいつも日本人か」と認識はしたのだろうと思うと、不思議に思える。

 

国替えなんかもよくやったものだ。国司が赴任するというレベルではなく、地生えの農民も連れて、新潟の上杉が福島に行ったり、兵庫の黒田が福岡に行ったり しているのだからもう民族大移動だったろう。今なら、茨城県がまるっと県民ごとルワンダに移動するくらいのレベルじゃなかろうか。

 

そんな超絶コンサルみたいな仕事もしながら、官僚として国政を見ながら、事業家として自国経営もしながら、、な石田三成は要は人間じゃなかったレベルだと思うよ。

 

しまいには、日本全国の為政者を岐阜県の原っぱに集めてヨーイドンで次期政権決めちゃう一大イベントまでやっちゃうし。(ここら辺、歴史認識が適当ですが。。)

 

な、石田三成をさまざまな切り口から「藪の中」的に語るユニークな一作。

 

『三成の不思議なる条々』岩井三四二(光文社)。

 

三成好き必読。