耽典籍:「国際女性デー」に、男性の性被害について思う。『リベンジポルノ』渡辺真由子(弘文堂)

3月8日は「国際女性デー」。

 

今年は特に何のアクションにも参加できなかったな、、せめて本でも、、と昨年末からに積ん読になっていた一冊を。

 

『リベンジポルノ』渡辺真由子(弘文堂)。

リベンジポルノ―性を拡散される若者たち

リベンジポルノ―性を拡散される若者たち

 

 

Colaboさんとか、ライトハウスさんとか、しあわせなみださんとか、エンパワメントかながわさんとか、、地に足をつけて活動をしている団体さんのお話しが盛り込まれている。(というか、要点の多くが仁藤さんの話しの引用になってる気が・・)

 

リベンジポルノというものを初めて知ったのは、何かのアメリカンドラマだった。ちなみに、デートレイプもアメリカンドラマで知った。ビバヒルだったかな・・。

 

本では、なぜ性的な写真を撮らせるのか疑問、と書かれていたが、僕個人の感覚では疑問なことが疑問だったり。

 

生が希薄化するなかで、刹那の性を生きている証ととらえ、それをデータとして記録したいと望むのは、ごく当然のことに思う。刹那が壊れたとき、その証にすがりたくてデータを悪用してしまうのも、人間だろう。

 

リベンジポルノの前提となる性的なものの撮影を、否認も黙認も肯認もせず、あるものとして容認して、その上での対策が求められるんだろうな、と思う。個人の倫理観に頼る以外、なかなか難しいけど。

 

第3章の「性が拡散される社会をどう生き抜くのか」には、さまざまな試行錯誤や情報が挙げられていて、答えはないけど参考になる。実際に困っている人には助けになる。

 

本書は、リベンジポルノを恋愛に起因するもの(別れた後で元恋人の写真をバラ撒く)と、性産業に起因するものとにわけていて、適切だと思う。

 

難しいのは、やはり恋愛に起因するケースか。テクノロジーの発展によりさらに複雑化してくんだろうな、と思う。以前OVAの伊藤次郎さんがおっしゃっていたけど、VRを用いたリベンジポルノとか、出てきちゃうんだろうな。

 

性産業に起因するものはきちんと抑止すべきと思うけど、風俗店の色恋管理とかヒモみたいに、恋愛なのか性産業なのか切り分けが曖昧なものもあるよな、と思ったり。本人は恋愛のつもりでも、傍からみれば性産業にからめとられているということ、ありがちなので。

(ちなみに、性産業事態が悪いと思っているわけでなく、そこで人の選択肢を奪うような行為が行われることは望ましくないと思っている。)

 

本書にもあるが、リベンジポルノの被害にあうのは女性だけではない。性別は関係ない。

 

ネタみたいな話しになるが、実のところ僕自身もリベンジポルノの被害にあいかけたことがある。恋愛に起因するケースでした。笑い話にしてるけど、けっこートラウマで数年間その女の子の名前を思い出せなかった。。

 

「国際女性デー」と関係なくなってくるけど、男性の性被害というのもきちんと検証して防いでいこうという動きは、もっと広げていかないと。男性に対する強姦罪とか。