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耽典籍:ビジネス・社会貢献が両立する社会が本当の社会システム。『人生の折り返し地点で僕は少しだけ世界を変えたいと思った』水野達男さん(英治出版)

耽典籍

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ギャップ埋めること。

 

企業人としてタフなビジネスの世界で活躍してきた男性が、50歳を過ぎてから社会貢献事業に生涯を投じる。そこにはどのような心境・環境の変化と、ギャップと、跳ぶ覚悟があったのか。

 

水野達男さんに、そこを聞いてみたかった。

 

英治出版の下田さんが、少人数で出版されたばかりの『人生の折り返し地点で僕は少しだけ世界を変えたいと思った』をその場で読んで、水野さんと直接話し合えるというイベント(本好きには極上のエンターテイメント!)を開催してくださったので、勇んで参加しました。

 

水野さんについては、Web上にも記事が多いのでご参照。

globis.jp

 

水野さんの答え。ギャップはあった。それまでビジネス・いかに利益を上げるかという価値観で生きてきたが、52歳でアフリカに行き蚊帳を広める仕事についてから、社会のためにという価値観に変化していた。でも自分自身も変化に気づかず、ビジネスとして猛進していたため、齟齬が生じて、それが40日間も身動きが取れない鬱になった。鬱からもう一度立ち上がる過程で、新しい価値観に移り、アフリカに蚊帳を届けてマラリア禍をなくすという社会事業の自分ごと化があった。

 

前の価値観ではやっていけないなという実感と、同時にもうサラリーマンとしては駄目だなという開き直りがあった、とおっしゃってました。

 

 正直な方だな、と思った。

 

マジョリティとされる会社員・男性(おじさん)に、どうしたら多様な価値観に目を向けてもらえるか、社会事業という点でも人事・人材開発という点でも身の回りでよく話題になります。それまでの価値観をふっと手放して、自分や周囲の変化から沸き起こってくる新しい価値観を結晶化させるという過程があったんだな、と知りました。

 

ちょっと、U理論っぽい。

 

その他、興味深いお話し、面白ネタもたくさん。

 

ビジネスセクターでできることと、NPOなどソーシャルセクターでこそできることの違いについて。ソーシャルセクターなら、政府などとも仕事ができるし、社会課題に対するトータルなアプローチもできる、との回答。

 

僕もビジネスとソーシャルのパラレルで仕事をする生き方をしていますが、確かにと思いました。セクター毎にできるそれぞれの攻め方があり、上手に使えばいいんでしょう。

 

笑ったのは、ビジネスでは夜の飲み会が多いが、ソーシャルセクターだとみんなお金があまりないこともあり、昼間に集まって真面目な話しをする、という指摘。

 

本当にそうで、僕のEDAYAとか、昼間っから集まって小難しい話しを飲まず食わずで半日、なんてこともある。他の参加者の方はピンときてなかったようだけど、大ウケしてしまった。。

 

本の中で明日から使えるテクニックは、アフリカの方たちに品質管理を伝えるのに折り紙を使ったということ。少しでもズレがあれば、鶴にならない。上手い伝え方だと思いました。

 

水野さんから著書にサインをいただいたのですが、「ビジネス・社会貢献が両立する社会が本当の社会システムだと想います。GAP埋めましょう。」と書いてくださいました。

 

アフリカ・アジアで頑張っている仲間はもちろんですが(シェアトレードの石本さんに読んでもらいたい)、会社員のおじさま達に読んでもらって、感想を聞きたい本です。

 

水野さんはもちろんですが、何より下田さんありがとうございます。素敵な会でした。

 

『人生の折り返し地点で僕は少しだけ世界を変えたいと思った』水野達男さん(英治出版)。

人生の折り返し地点で、僕は少しだけ世界を変えたいと思った。――第2の人生 マラリアに挑む