耽典籍:あの娘の主夫に、なりたくて。『「専業主夫」になりたい男たち』白河桃子さん(ポプラ新書)
大学のとき、マジで専業主夫になりたいな、と思ってた。
だって、周りにいる女の子が僕なぞよりずっと頭もよく、世界を見るセンスもよく、バイタリティーもある、ときには腕力の喧嘩でも僕より強い、要はほとんどの点で僕より格上な子だったんだもん。
(具体的に誰の主夫になりたかったかは秘密)。
今だって、主夫いいな、と思う。社会事業等々やりたいことは多いので、専業はイヤだけど。
『「専業主夫」になりたい男たち』白河桃子さん(ポプラ新書)。
主夫ロールモデルのお話しも面白いけど、この本の真骨頂はやはり主夫を持つ女性「主夫妻」の座談会。面白い。
いくつか印象的なことがあるけど、まずは「日本の女性って大黒柱になる教育を受けていないでしょう?」ということ。たしかにな、、と小学校の頃を思って納得しかけた・・・けど、、あれ?僕の周りは随分と大黒柱な女性がいるぞ??と思った。
EDAYAとか、山下彩香さんがいて、あとプロボノは30半ば男ばかり、みたいな時期もあったし。。社会事業系は、女性大黒柱がぼこぼこと乱立してる、、気がする。。
まぁこの本での話は、企業の中で会社員として働いて稼いで、それで大黒柱になる、ということなので、ちょっと想定が違うけど。。
ただ、キャリア教育の視点から山下さんが大学とかで学生に話をするのってナンボ効果ガアルンジャ・・と思ったりもしたこともあったけど、、いや、やっぱ効果あるんだろうな、と思い直した。
山下さんは立派な大黒柱ですよ。学生向けのグローバルな大黒柱キャリア教育には最適です。講演依頼待ってます。もぅ、ほんと、はぃ・・・(褒めてる)。
より大事な話は、「奥さんが社会で活躍していて、夫は家事・育児をしていることで『男のプライド』は傷づかないのでしょうか?」、「男の魅力=仕事」という価値観。その仕事も、滅私奉公マッチョ系長時間労働。
いわゆる、「男はつらいよ」問題。
だからこそ、マジョリティ(と思われている)側からの変革を目指す「『エシカル男子の会』をつくる会」なんかやってるのだけれど、それよりも肩肘はらずに真摯だなと思った提言が終章にあった。
「カップルの関係のクオリティーを上げていく」ということで、「男女のお互いに対する「誠実さ」」、「せっかくカップルになるなら、お互いがつらい方向ではなく、お互いが楽な方向に進んでほしい」と書かれている。
「「子どものために別れない」という日本の家族は「カップル」ではなく「親子」が重視されて」いるという指摘も面白いと思うが、巻末に出てくる提言なのでちょっと紙幅が足りてない、気がする。
「男女の役割意識を超えて「カップルのクオリティーを上げる」」というテーマについて、もっと読みたいし考えてみたいな、、と思った次第でした。