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耽典籍:ハイブリッドキャリアはマタハラを覆滅するか。『マタハラ問題』小酒部さやか(ちくま新書)

耽典籍

吐き気がする。

 

小酒部さやかさん並びにマタハラNetを知ったのは、やはり昨年アメリカ国務省の『世界の勇気ある女性賞』がきっかけ。その後、記事やリリースは読んでいたけど、ご本人がマタハラに遭ったときの詳細は、初めて知った。

 

読んでいて吐きそうになった。

 

切迫流産中に上司が家に来て酒まで飲みながら、良いこと言ってる態で退職強要するところなど、殺意が湧くほど。(僕自身が、他人を家に上げることも酒を飲むことも好まないので、猶更)。

 

その後、人事も同じ穴の貉だったり、労働局はたらい回し役所だったりと、うんざりすることばかり。でもこれが現実か・・・。

 

『マタハラ問題』小酒部さやか(ちくま新書)。

マタハラ問題 (ちくま新書)

マタハラ問題 (ちくま新書)

 

マタハラは、女性の問題ではない。

 

人口オーナスが理由として挙げられているが、社会の変容にともない働き方/働かせ方は変化しなければならない。例に出ている通り、パタハラ(父親に対するハラスメント)やケアハラ(介護する人に対するハラスメント)も問題になってくる。マタハラを許すような旧態依然とした働かせ方は、誰のことも抑圧するだろう。

 

子供を産み育てながら働く女性は、変わりゆく社会の中で人が働いていきやすいように先陣を切って声をあげてくれているのだ、と思う。

 

本の中で、面白い箇所があった。

 

「日本人は社会出ると勉強しなくなるとも言われている。これも長時間労働が原因で、目の前の仕事以外への視野が極端に狭くなっている。違う価値観があることに目が向きにくくなり、回し車の中のハツカネズミのように、ただ盲目的に走ってるだけになってしまっている。」

 

ここだと思う。

 

僕も、会社という箱に箱入り、タコ壺入りしてしまう、マジョリティとしての会社員男性の姿をあちこちで見て、そこが多様化への壁になるケースを見てきた。その箱を壊したくて、パラレルキャリアとかハイブリッドキャリアの話をあちこちでしてきた。

 

箱の中とは違う世界、価値観があるし、違う自分自身の活かし方があるんだと知ることが、たくさんの場所のたくさんの自分という働き方を広めることが、社会への「くさび」になるはずだ、と思う。

 

大げさに言えば、ハイブリッドキャリアが広まれば、マタハラは覆滅できる。かも。

 

それぞれが、それぞれの持ち場で課題に立ち向かうのが社会活動なので、僕はマタハラの問題に対してハイブリッドキャリアという切り口で臨んでみたい、と思った。

 

最後に、人事について。

「たちが悪いなと思うのは、ワークライフバランスダイバーシティ、長時間労働の見直しということがなぜ必要かということを理解せず、社会がそのような風潮だからと看板だけを掲げ、どうインフラを整えればいいか具体的には何もわかっていない偽物の経営者や企業が存在することだ。」

 

悲しいけど、本当だと思う。人事の方と話をしていて、しかも女性が働きやすい会社というマークを受けている企業の人事の方と話しをしていて、「????!??!?・・?」となったことが、僕も何度かある。

 

でもね、めげずに揺さぶり続けるしかないよね。