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横浜フリューゲルスの消滅反対デモに行った話

横浜フリューゲルスを、知っているだろうか。

Jリーグ開幕期の1チームであり、前園・山口素・楢崎という日本代表選手やジーニョ・エバイール・サンパイオといったブラジル勢を擁して、派手ではないが彩りのあるサッカーをするチームだった。

僕は茨城県出身なので鹿島アントラーズファンなのだが、横浜フリューゲルスは壮絶な試合を繰り広げられる相手で、けっこう好きだった。

 

このチームが、消滅する。

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企業スポーツとしての位置づけから脱却しきれなかったチームが、スポンサーの経営破綻(佐藤工業)&赤字(ANA)により資金難で存続できなくなったわけだ。

単純な話なのだが、当時僕は大学1年生で、この話に真面目に激高した。企業の経営努力もせず、たくさんの人から支持されている社会性のあるスポーツチームを切り捨てるとは何事だ!と。

 

そう思った人は多かったみたいで、「横浜フリューゲルス消滅反対デモ」とうものが行われた。

これに、僕も参加した。

 

大学の教室で、たまたま後ろに座った女の子が横浜フリューゲルスの熱烈なサポーター(要はファンね)だったみたいで、この消滅がいかに不正か、そしてそれを社会に訴え、企業に反省と再考を促すためにデモに参加すべきだ、ということを友人の女の子に力説していたのだ。友人は、困惑していた(そりゃそうだ)。

で、、僕は後ろを振り向き絵、鹿島アントラーズファンとして、本件がいかに憂慮すべきことかに共感をしめし、Jリーグでは敵でもここは未来のために連帯すべきことを伝え、自身も横浜フリューゲルスのためにデモに参加する意思があることと表明した。毅然として。

 

・・・要は、その女の子が美人だったのだ。

 

結果、僕は午後の授業後にその女の子と合流し、どこか(ANAの前とかだったのかな??)に行き、他のデモ参加者とともに、「消滅はんた~い!」「はんた~い!」とか、しょぼいシュプレヒコールをやった、、ような気がする。

女の子と行動できることに意識は奪われ、デモに行ったらその子がどこか行ってしまったので途端にやる気を無くし・・・卒然と帰宅した。

それだけだった。

 

横浜フリューゲルス横浜マリノスと合併した。が、横浜FCという、よりコミュニティ近接型のチームも誕生し、カズも移籍し、Jリーグにも昇格している。

 

僕のデモの思い出とは、そういったものだ。

 

他のことではなく、この「横浜フリューゲルス消滅反対デモ」については、まぁ示威行動は大事なものの、「何か意味あったの?」と聞かれれば、「意味なかったんじゃね?」と答えざるを得ない。

 

戦場を間違えていたのだ。すでに終わってしまった戦場で、息巻いていたのだ。

 

「戦いとは、常に二手三手先を読んで行うものだ」という赤い仮面やナポレオンの言葉を借りてもいいが、問題というものは目の前で起こって争っているときは実は大勢が決している。目先の戦場で必死に血や汗や涙を流しても、それはすでに決していることなのだ。

 

今おきていることは、既に過去のこと。

 

過去になってしまった戦場でナルシスティックに悲憤慷慨して矢尽き刀折れたところで、敵さんはもう第2陣、第3陣を突破にかかっている。

第1陣で戦端が開かれてしまったと同時に、そこは破られたものと思って第2陣、第3陣に深く罠をはることが求められると思うのだが、楠木正成真田幸村はどう考えるのだろうか。。。

 

時制は、常に未来時制で考えなければならない。現在という時制はなく、今はすなわち過去であるのだから、今を捕まえようとしたら未来へ、さらに先の未来へと手を伸ばさなければならない。

でなければ永遠に今日は来ず、「その日をつかめ」(カルペ・ディエム)と言うことはできない。

 

 

横浜フリューゲルス消滅反対デモについていえば、その目先の戦場で佐藤工業ANAにチーム存続を訴えて、仮に受諾されたところでそれは単なる短期延命策にすぎず、早晩チームが立ちいかなくなることは決定事項だったのだ。

初めから敗れていた戦場。

 

とすれば、第2陣は他のスポンサーを探すことだろうが、さらに先の先に戦場を定めて、コミュニティ型・マルチステークホルダーのクラブ運営を模索する、、とか、もっと頭を労力を費やすことがあっただろうよ。。と言いたい。

 

まあ、19歳の小僧にそんなことが望めるわけはなく、しょうがないっちゃあしょうがないんだけど。

それに、当時の僕の目的は「女の子とデモに行く」ということだったので、その達成に注力しても何ら悪びれることはない。

 

ただ、それなりの大人になった今では、いざとなった時に陣を敷く場所は目先の戦場ではなく第5陣くらいにして、そこまでの道程に詐略を凝らしたい。

その方が、性に合う。

 

事件は会議室で起きてるんじゃない現場で起きてるんだ!」とはもっともなれど、その現場の時間設定は未来に。

 

 

・・・あくまでも、「横浜フリューゲルス消滅反対デモ」の思い出です。

でもあの時一緒にデモに行った女の子は、それほど美人だったのかな?美人だという記憶しかなく、顔も名前も思い出せない。