メロンパンフェスティバル2015.「食のコト」消費×国際協力・紛争鉱物、そしてメロンパンはクールジャパンか?
紛争鉱物は、誰にも身近な問題である。携帯電話を持っていない人は、きっともうごくわずかだろうから。
コンゴで採掘される、スズ、タンタル、タングステン、金は、その手元の携帯電話に使われている、かもしれないからだ。誰もが、無罪ではいられない。
世界は一つで、コンゴという行ったことのない、地図で見てどういう生活を人々がしているのか想像するしかない国と、いま見ている携帯電話はつながっている。グローバリズムとはそういうこと。
そんなコンゴの問題を、紛争鉱物の問題を、しかし知る人は、意識する人は少ない。携帯電話は持っているのに。とはいえ、大上段でコンゴの話をしても、聞く人は一部だろう。
社会問題を考えるとき、無関心な人をどう取り込むか、常に大きな障害が伴う。バーを下げて、アイドルやタレントに広告塔として協力してもらうか。。
一方で、食の力というのは大きい。「モノ」消費から「コト」消費という話はよく言われるが、「食べるコト」消費というのは、実に多くの人を引き付ける。
食べ物にまつわるストーリーを、多くの人は紡ぎたがる。一人で、もしくは仲間と。そんなストーリーが集まるとき、食はメディアになる。
コンゴの問題を、メロンパンという食のメディアを通して伝えようという試みは、もとはヤケクソだったと思うものの実に実効性のある試みである、と思う。
「食べるコト」消費×国際協力という図式は、なかなか洒落ている。
昨年2014年のメロンパンフェスティバルは、メロンパンという食の持つ力にただ驚嘆した。本当に多くの方が行列を厭わず並んで買ってくれて、うれしそうだった。そして、その中の数人はコンゴのことを知ってくれた(と思った)。
いやー、すごいよメロンパン。
メディアとして託す食材がメロンパンというのも、いい。どうやらメロンパンは日本で作られたパンで、要は日本の剽窃文化が生んだ怪しげなオリジナル食品、ある種の日本食、らしい。
ラーメンとかカレーとか、こういう海外から入ってきて日本でガラパゴス進化を遂げた食品って、結構クールジャパンだと思う。
ただ、セレクトショップ的に美味しいメロンパンを食べられるでもよし(正直、かなり美味しい。コンビニメロンパンが食べられない。)、クールジャパンとしてのメロンパンを考えるでもよし、珍妙なパンイベントに参加したという体験を楽しむもよし、コンゴという国と紛争鉱物に思いをはせるもよし、学生たちの奮闘を応援するもよし、そんな多層レイヤーで味わえるイベントが、メロンパンフェスティバルだと、思う。
さて今年はどのようなドタバタがあることやら。
●会場:videlicio.us lab
http://www.videlicio.us/
〒107-0052
東京都港区赤坂6-3-17 B1F
12:00-17:00 メロンパン販売