耽典籍:「限定正社員」という階段を利用しながら普通に働け、と。『これだけは知っておきたい 働き方の教科書』安藤至大(ちくま新書)

 労働・働き方ということについて、きちんと整理して書かれた本だなと思う。派手さはないけど、真摯な感じ。

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『これだけは知っておきたい 働き方の教科書』安藤至大(ちくま新書)

 

 

前半は労働市場分析のまとめで、後半は雇用が多様化・流動化せざるを得ない直近の将来においてどのように働いて(働かせて)いくべきかの提言になっている。
働き方のステップアップ・ステップダウンの階段として「限定正社員」の増加をといているところが特徴なのかなと思ったし、うなずけた。

 

労働を商品として特別扱いせず、普通に取引するにはどうすればよいか考えるべきという主張や、労働問題は正確な知識を持たない人でも、自分の経験だけで何となく語れてしまうので、事実とデータに基づくことが大事という指摘なども、そーだよなーと思った。

 

就活に早くも疲れて、贋物的キャリア論に飛びつきそうになっている学生とか、読むといいんじゃないかなとか。