2015-12-31から1日間の記事一覧

2015年私的書籍10

2015年私的書籍10。 今年は、遊びが少なかった。 1:『下層化する女性たち 労働と家庭からの排除と貧困』小杉礼子・宮本みち子等(勁草書房) 下層化する女性たち: 労働と家庭からの排除と貧困 作者: 小杉礼子,宮本みち子 出版社/メーカー: 勁草書房 発売日:…

耽典籍:迷子の記録の、読書録。『恋読』小橋めぐみ(角川書店)

同い年の女優さんが、本についてこんなに繊細でしなやかな文章、匂いのある文章を書いていたのかと、嬉しくなる。 本、とくに物語を読むときは、三つの変化がると思う。 まず、本を読む前の変化。人は、しかるべき何かがあってその本に出合うのだと思う。読…

耽典籍:チェルノブイリの文学は、涙が、切なる祈りと原子力の風に乾いて消える。『チェルノブイリの祈り』スベトラーナ・アレクシェービッチ(岩波現代文庫)

問う。これは文学か。 答う。2015年ノーベル文学賞受賞者スベトラーナ・アレクシェービッチによる著作である。文学として読んで差し支えない。 再び問う。文学であれば、人間の普遍的なテーマについて物語るもの。チェルノブイリという災厄の下に隠され忘れ…